1. |
百鬼夜行
04:09
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真夜中 バイクの音
爆音で目が覚める
ホント大迷惑
だけど不可解なことが
私の他に誰も聞いてない
家族 近所の人も聞こえてない
いまどき暴走族 田舎にもいないよね
俄然興味湧いてきた 今夜正体を見てやろう
カーテン少し開けて真夜中を待つ
遠くから爆音近づいてくる
先頭は一つ目の大きな赤い鬼
獣の頭の物 首無い物
名称しがたい物もバイクまたがり
これがあの名高い百鬼夜行
最後尾のバイクが
家の目の前で止まる
「よう ねーちゃん なに見てんの？
俺のケツ乗せてやろーか」
飛ばせ飛ばせ 静かな街を飛ばせ
壊せ 壊せ 私の日々を壊せ
ヘッドライト青白く燃える火の玉
フレームは動物や人の骨
エンジンは大きな血まみれの心臓
これがあの名高い百鬼夜行
空が白んできてみんな消える
私 知らない場所 取り残される
先頭は一つ目の大きな赤い鬼
獣の頭の物 首無い物
名称しがたい物もバイクまたがり
これがあの名高い百鬼夜行
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2. |
赤いてるてる坊主
03:32
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みんなで遊園地 行く話しているの
楽しみね 早く日曜日来ないかな
だけど私に誘いの声かからない
あれ？なんで？ 私同じグループでしょ？
ああ そうかゴメン 勘違いしてた
ただ席が近いだけだった
ただ相槌を打ってるだけだった
ちゃんと話をしてなかった
赤い紙丸め 赤い布巻いて 赤い糸縛り てるてる坊主作る
逆さに吊り下げて 願いをかける どうか当日は 血の雨振るように
合唱コンクール 球技大会とか
文化祭 体育祭 修学旅行
なんでみんな楽しそうにしているの
ああそうか 本当に楽しいんだね
私は本当に楽しくなくって ただただ本当に苦痛で
友達がいればまた事情は いろいろ変わってくるかな
赤い紙丸め 赤い布巻いて 赤い糸縛り てるてる坊主作る
逆さに吊り下げて 願いをかける どうか当日は 血の雨振るように
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3. |
音楽霊
04:32
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棺に入れてもらう程 執着あるものは無い
だから私の魂は 持ち物に宿らない
住んでいる土地建物に それほど執着は無い
だから私の魂は 地縛霊にはならない
だけどこれで あの曲聴けないのは
すごくすごくつらい事かもね
あのメロディー あのリズムとハーモニー
どこかで流れてればホラ
私の意志 心 感情 魂
一緒に再生されるの
この曲を再生すれば 当時の匂いや空気も
考えていた事まで 鮮明に蘇る
CDやUSBに保存されているのは
音楽だけじゃなくって 私そのものなんじゃない？
だから 私 多分 不滅なの
再生機材あれば黄泉帰る
あのメロディー あのリズムとハーモニー
どこかで流れてればホラ
私の意志 心 感情 魂
一緒に再生されるの
だから 私 多分 不滅なの
再生機材あれば黄泉帰る
あのメロディー あのリズムとハーモニー
どこかで流れてればホラ
私の意志 心 感情 魂
一緒に再生されるの
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4. |
百物語
03:05
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ロウソクを吹き消そうよ
バースディケーキみたいにさ
訪れる 漆黒の闇は
なにを連れて来るのかな
首を鋸で切る話 殺しまくるスーパーガール
邪神呼び出す呪文 現れる赤い服の女
蝿に気持ち委ねる少女 サッちゃん エミちゃん マコちゃんの話
空き地にいる幽霊 呼出待機中のコックリちゃん
いろんなお話 あったけど
これが最後の百話目
ロウソクを吹き消そうよ
バースディケーキみたいにさ
訪れる 漆黒の闇は
なにを連れて来るのかな
やめないで まだやめないで
お話はまだまだ続く
ゾッとする愉快な闇は
ずっと僕らの隣に
煙突にいるアイドル 狐に憑かれたと言い張る少女
頭の中の恋人 配管の中 蠢く女
夜の街 走るなにか 斧を持ってやってくるピエロ
精肉工場の話 スイーツになりたい女の子
どのお話が気に入りましたか？
これで最後の百話目
ロウソクを吹き消そうよ
バースディケーキみたいにさ
訪れる 漆黒の闇は
なにを連れて来るのかな
やめないで まだやめないで
お話はまだまだ続く
ゾッとする愉快な闇は
ずっと僕らの隣に
下らない事でも 百回続ければ
何かが生まれるよ
負けないで まだ負けないで
すぐに駆けつけるから
やめないで 諦めないで
私たちが見てるから
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5. |
ドンキーガール
03:15
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空き巣と鉢合わせても 強姦魔侵入しても
武器持ってないけど 私 大丈夫
そこら辺にある手にとって 持ち上がるもの
全てが武器よ
コーヒーカップ 目覚まし時計 ワインボトル 鉄アレイ
力いっぱい 投げつけて 敵の動き止れば
イスや机 大きなテレビ 冷蔵庫 大型タンス
フルスイングで叩きつければ
もうピクリとも動かない
街で突然 遭遇する トラブルや敵がいても
武器持ってないけど 私 大丈夫
道に落ちてる手にとって 持ち上がるもの
全てが得物
手頃な石で殴りかかれば 大体それで動かなくなる
コンクリートブロックやレンガがあれば最高
止めてある自転車 道路標識 たて看板
フルスイングで叩きつければ
もうピクリとも動かない
そこら中にある手にとって 持ち上がるもの
全てが武器よ
邪魔だった熊の置物 見たこと無い百科事典
上手く狙い角当てれば それでもう再起不能
キッチンでも手に取るのは
フライパンや手持ち鍋
刃物は使わないの
だって私 ドンキー・ガール
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6. |
ブギーマン～愛しのマイケル
04:46
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いつでも女の子 銀幕のスターに
憧れ続ける物なのよ
子供の頃に映画を見たときから
ずっと貴方に夢中なの
無表情の白いマスクが好き
首かしげる無垢な貴方が好き
ガラスぶち破って包丁持って会いにきて
今すぐに
妹ばかり追いかけてないで会いにきて
今すぐに
ホッケーマスクのあの人もイカスけど
やっぱりイケメンのほうが好き
シマシマセーターと鉤爪のあの人は
ちょっとお喋り過ぎるかな
極端に無口な貴方が好き
感情を持たない貴方が好き
ガラスぶち破って包丁持って会いにきて
今すぐに
妹ばかり追いかけてないで会いにきて
今すぐに
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7. |
自動販売機の女
04:06
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仕事の帰り道 人通り無い裏路地
ポツンと光ってる 自動販売機 目に留まる
なんとなく買ってみる
取り出し口 手を入れる
中から冷たい手が 私の腕つかむ
取り出し口の中から 女が覗いてる
何もかも上手くいかず なんだかもう疲れちゃった
何年も一人ぼっち 人の温もり恋しい
あの自販機に行こう
あたたか～い 買ってみよう
中から温かい手が 私の手を握る
優しく伝わる体温 涙が止まらなくて
今日も自動販売機
あたたか～いを買う
中から温かい手が 私の手を握る
取り出し口の中から 女が覗いてる
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8. |
お皿戦争
03:13
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この部屋はやっぱりヤバかった
テレビや電灯が 勝手に点く
夜はずっと部屋中 バシバシ鳴ってる
勝手に物動いて 床に落ちる
もう限界かな 逃げ出そう
早く次の部屋探さなくちゃ
準備してたら突然 戸棚が開いて
お気に入りのお皿 落ちて割れた
何してんだコノヤロウ
それもう売ってないんだぞ
もう許さない これは戦争だ
今からお前 敵に認定だ
部屋中 塩まいて ジャリジャリする
壁見えないぐらい お札はった
一日中 お経の CDかける
ファブリーズをまいて 裸で踊る
生きているやつだったら
殴り殺しているくらい
私の怒り とくと思い知れ
死んでるからって調子乗るんじゃねえ
ある日夢に知らない人
出てきてなんか謝ってる
いまさら謝っても もう遅いぞ
なぜなら私 すでに 総力戦
もう許さない これは戦争だ
逃げ出しても 私 追いかけるぞ
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9. |
使い魔の家
03:16
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家の縁の下 猫が住み着いちゃったんだ
黒い大きな猫 ちょっと可愛いんだ
家の屋根の上に カラスが巣を作ったんだ
いつも出かける時カァーって挨拶する
天井裏には白い蛇住んでて
時々神棚から這い出てくるよ
動物園みたいで楽しい
友達に自慢してみたら
お前それは動物園つか
まるで魔女の家
家の庭先に 狸がやってくるんだ
夜になるとホラ ポンポコ聞こえてくる
家の庭先に 狐もやってくるんだ
頭に葉っぱ乗せて何かやっているんだ
大きな女郎蜘蛛が巣を張っている
軒下にコウモリぶら下がっている
動物園みたいで楽しい
友達に自慢してみたら
お前それは動物園つか
まるでお化け屋敷
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10. |
コトリバコ
04:36
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引き出しの一番奥 小さな桐の箱
蓋を開けると 中にあったのは
沢山の人の歯と 束ねた髪の毛
これってあの有名な小箱
子供をとる呪いの箱
何でこんな物が家にあるの
何で母さん持っているの
あらそれどうしたの ちゃんと元に戻しておいて
それはね私の大切な宝物
その歯は貴方が子供のとき抜けた歯
その髪は貴方がはじめて切った髪
小さかった貴方は可愛くて
抜けた歯や切った髪も
愛おしくて捨てられなかった
ずっと今でも宝物よ
貴方はもうお嫁に行くんでしょ
違う家族 出来るんでしょう
嬉しいけどチョッピリ寂しい
だからこれは持ってていいでしょ
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